相続の手続きは何から始めたらいい?手続きの流れや必要書類を徹底解説!

  • 「相続の手続きを進めたいけど、何から始めたらいいかわからない…」
  • 「初めての相続で必要な書類がわからない…」

上記のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

相続手続きには時間がかかり、書類も複雑です。

それでいて期限も決まっているため、お困りの方は非常に多いです。

そのため、この記事では相続手続きの流れや期限、必要書類についてわかりやすく解説していきます。

相続手続きの全体像

相続は被相続人が亡くなった時点で開始します。

その後直ちに、遺言書の確認・相続人と相続財産の調査・遺産分割協議・金融機関や法務局での名義変更を進める必要があります。

※詳しくは後述します。


特に、財産を一切相続しない方法である相続放棄は、原則被相続人の死亡を知った時から3カ月以内に手続きをする必要があります。

死亡直後の事務と相続手続きを分け、期限が早いものから取り組むことが、漏れやトラブルを防ぐ基本です。

相続発生後7日~14日以内に行うべき手続き

被相続人の死亡後、まずは医師から死亡診断書または死体検案書を受け取りましょう。

この書類は、保険金の請求などさまざまな場面で提出を求められます。

そのため、市区町村役場に提出する前に、多めにコピーを取ることをおすすめします。

その他、必要な手続きは下記の通りです。

期限 手続き 主な手続き先
すみやかに 死亡診断書・死体検案書の受け取り 医療機関など
7日以内 死亡届・火葬許可申請書の提出 市区町村役場
10日または
14日以内
年金の受給停止に関する手続き
厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が原則です。マイナンバーが日本年金機構に収録されている場合など、死亡届の提出が不要なケースもあります。
年金事務所など
14日以内 健康保険の資格喪失などの手続き
加入していた健康保険によって手続き方法や窓口が異なります。
市区町村役場・勤務先など
14日以内 介護保険の資格喪失に関する手続き
介護保険の被保険者が亡くなった場合に必要となります。自治体によって手続き方法が異なる場合があります。
市区町村役場
14日以内 世帯主変更届の提出
亡くなった方が世帯主だった場合に必要となることがあります。残された世帯員が1人の場合など、届出が不要なケースもあります。
市区町村役場
ポイント
死亡後は短期間のうちにさまざまな手続きが必要になります。 特に死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があるため注意しましょう。 また、年金や健康保険、介護保険などの手続きは、加入状況や自治体によって必要な手続きが異なる場合があります。

相続発生後3カ月以内に行うべき判断

相続発生後3カ月以内に、相続財産をそのまま引き継ぐのか、それとも放棄するのかを選択する必要があります。

相続人は次の3つのうちいずれかを選択できます。

【単純承認】

プラスの財産(現金や不動産など)もマイナスの財産(借金や未払金など)も全て引き継ぐのが単純承認です。

相続開始を知った時から3ヶ月以内に何らの手続きもしない場合、自動的に単純承認となります。

また、3ヶ月経過前であっても相続人が相続財産を使ったり処分した場合には単純承認となります。

【相続放棄】

相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も両方を一切受け取らないということを意味します。

原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。

【限定承認】

限定承認は、プラス財産の限度においてマイナス財産を相続して、限定的にマイナス財産を承継しない相続方法です。

期限は相続放棄と同様、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内となります。

部分的に相続するといった特殊な相続方法となっているため、同じように家庭裁判所に対して申立てをする相続放棄に比べて、難しい手続きとなっております。

加えて、限定承認は相続人全員で申立てをする必要があるため、他の相続人と足並みを揃える必要があります。

相続放棄や限定承認の詳しい内容については、以下の記事で解説しています。

相続発生後3年以内に行う手続き

不動産を相続した場合、所有者の名義を変更する「相続登記」の手続きが必要です。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、3年以内に相続登記の申請をしなければならなくなりました。

正当な理由なく期限内に申請しない場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

なお、遺産分割協議がまとまらないなどの理由で期限に間に合わない場合には、「相続人申告登記」制度の利用を検討しましょう。

「相続人申告登記」とは、亡くなった人が所有していた不動産について、相続人が法務局に対して自分が相続人である旨を申告し、登記官が申し出た相続人の個人情報を登記記録に登記する手続きです。

これによって、相続登記の義務を履行したとみなされます。

3年以内とはいえ、不動産を相続した際には早めに法務局への手続きを進めましょう。

相続手続きの基本STEP

相続発生後、前述の手続きと並行して確認すべきことが多数あります。

明確な期限は決まっていませんが、速やかに確認するようにしましょう。

①遺言書の確認

遺言書があるかないかで相続手続きの方法が異なるため、まず始めに遺言書を探しましょう。

自宅の金庫や仏壇、銀行の貸金庫など、保管していそうな場所は徹底的に探します。

また、遺言書が1989年1月1日以降に作成された公正証書遺言である場合、公証役場に出向いて遺言検索の申出をすれば、遺言書の有無を確認できます。

そのほか、自筆証書遺言保管制度によって、法務局に自筆証書遺言が保管されている可能性もあります。

相続人が遺言書保管所(法務局)に「遺言書保管事実証明書」の交付請求をすれば、遺言書の保管の有無を確認できます。

なお、見つかった遺言書が自筆証書遺言で、自筆証書遺言保管制度を利用していない場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。

検認とは、簡単にいうと遺言書の偽造や変造を防止する手続きですが、検認を経ずに勝手に遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料に処される可能性があります。

間違えて開封してしまったからといって、それだけで遺言書が無効になるわけではありませが、

専門家へも相談の上、すみやかに家庭裁判所に検認申立てをするようにしましょう。

②相続人と相続財産の調査

相続の手続きを進めるにあたり、誰が相続人になるのか・財産がどのぐらいあるのかは、明確に把握する必要があります。

相続人と相続財産の調査方法は以下のとおりです。

【相続人の調査】

相続人を確定するには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や除籍謄本、相続人の戸籍謄本を収集します。

これにより、配偶者、子、父母、兄弟姉妹など、法律上の相続人を漏れなく確認できます。

被相続人の配偶者は常に相続人となり、それ以外の相続人は順位が決まっています。

順位 相続人になる人 ポイント
常に相続人 配偶者 被相続人の夫または妻は、他の相続人の有無にかかわらず、常に相続人になります。
第1順位 子ども 子どもがいる場合は、子どもが第1順位の相続人になります。子どもがすでに亡くなっている場合は、その子どもの子(孫など)が代わって相続することがあります。
第2順位 父母・祖父母などの直系尊属 第1順位の相続人がいない場合に相続人になります。父母がいる場合は父母が優先され、父母がすでに亡くなっている場合は祖父母が相続人になることがあります。
第3順位 兄弟姉妹 第1順位・第2順位の相続人がいない場合に相続人になります。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代わって相続することがあります。
相続人の順位のポイント
配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の相続人については、 第1順位「子ども」→第2順位「父母など」→第3順位「兄弟姉妹」 の順番で相続人になります。

たとえば、被相続人に子どもがいる場合、父母や兄弟姉妹は原則として相続人にはなりません。



なお、集めた戸籍を基に相続関係説明図を作成すると、親族関係を一覧で把握でき、法務局や金融機関へ提出する際の書類整理にも役立ちます。

相続関係説明図を作成し、相続人を漏れなく確認したい場合には、専門家への依頼をおすすめします。

【相続財産の調査】

相続人の調査と並行して、相続財産の確定も進める必要があります。

不動産や預金、株式などのプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産についても漏れなく調査しましょう。

この調査次第で、相続を放棄するのか、そのまま引き継ぐのかが決まります。

判断が定まらない間に相続財産を処分してしまうと、相続する意思があるとみなされ相続放棄や限定承認ができなくなるため、慎重な調査が必要です。

また、主な財産の種類は下記のとおりです。

種類 主な財産 具体例
プラスの財産 現金・預貯金 現金、普通預金、定期預金など
不動産 土地、建物、マンション、農地など
有価証券 株式、投資信託、国債など
動産・その他 自動車、貴金属、骨董品、貸付金など
マイナスの財産 借金・ローン 金融機関からの借入金、住宅ローン、カードローンなど
未払金・その他の債務 未払いの家賃、医療費、税金など
原則として
相続財産に
含まれないもの
一身専属的な権利・義務 扶養請求権など、被相続人本人だけに帰属する権利・義務
生命保険金など 特定の受取人が指定されている生命保険金など
相続財産を確認するときのポイント
相続の対象となるのは、預貯金や不動産などの「プラスの財産」だけではありません。 借金やローン、未払金などの「マイナスの財産」も原則として相続の対象になります。

相続が発生したら、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産がないかもしっかり確認することが大切です。

③遺産分割協議

遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を取得するかを相続人全員で話し合い、遺産分割協議書にまとめます。

この遺産分割協議書は、相続に関する各種手続きで必要になるので、作成することが望ましいです。

仮に、相続人間で話し合いがまとまらないときには、一度専門家に相談してみましょう。

遺産分割協議に関する詳しい内容は、以下の記事で解説しています。

④名義変更や解約等の手続き

遺産分割協議がまとまり次第、各種名義変更や解約等の手続きを行います。

主な手続きは以下のとおりです。

対象 主な手続き 手続き先
不動産 相続登記(名義変更) 法務局
預貯金 解約・払戻し・名義変更など 銀行・信用金庫など
株式・投資信託 相続人への移管・売却など 証券会社など
自動車 移転登録(名義変更) 運輸支局など
生命保険 死亡保険金の請求 保険会社
名義変更・解約手続きのポイント
遺産分割の内容が決まったら、不動産や預貯金、自動車などについて、 それぞれの財産を取得する相続人への名義変更や解約・払戻しなどの手続き を行います。

必要書類や手続き方法は財産や手続き先によって異なるため、事前に各機関へ確認しておくとスムーズです。

相続手続きに必要な書類

多くの手続きで必要になる書類は以下のとおりです。

全てではないですが、是非参考にしてみてください。

必要書類 主な内容・目的 主な取得先
被相続人の戸籍謄本等 被相続人の出生から死亡までの戸籍を確認し、相続人を確定するために使用します。 市区町村役場
被相続人の住民票の除票 被相続人の最後の住所を確認するために使用します。 最後の住所地の市区町村役場
相続人の戸籍謄本 相続人が現在も存命であることや、被相続人との関係を確認するために使用します。 本籍地の市区町村役場
相続人の住民票 相続人の住所を確認するために必要となる場合があります。 住所地の市区町村役場
相続人の印鑑証明書 遺産分割協議書への実印押印を確認する場合などに使用します。 市区町村役場
遺言書 遺言書がある場合は、その内容に従って相続手続きを進めます。自筆証書遺言などでは家庭裁判所の検認が必要になる場合があります。 被相続人の自宅、公証役場、法務局など
遺産分割協議書 遺言書がなく、相続人同士で財産の分け方を決めた場合に作成します。 相続人全員で作成
相続関係説明図・法定相続情報一覧図 相続人関係を一覧で確認するための書類です。法定相続情報一覧図を取得しておくと、複数の相続手続きを進める際に便利です。 作成または法務局
本人確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなど、相続人本人を確認する書類です。 相続人本人が準備
ポイント
実際に必要となる書類は、預貯金の解約、不動産の相続登記、自動車の名義変更、相続税申告など、手続きの内容によって異なります。 また、金融機関や法務局など提出先によって必要書類や有効期限が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

相続手続きは自分でできる?専門家に依頼すべきケース

結論、相続の手続きは自分で行うこともできます。

特に、「財産が預貯金のみで相続人間に争いが全くない」「必要書類を集める時間が十分にある」という方は自分で手続きを行ってもよいでしょう。

しかし、相続人の調査や相続財産の調査、遺産分割協議書の作成、預貯金の解約や不動産の相続登記、相続税の申告など、かなりの時間や労力が必要な手続きといえます。

また、明確に期限が決まっている手続きも多いため、仕事が忙しいなどの理由で後回しすると、自分にとって不利益を被る可能性があります。

  • 必要書類を集める時間がない
  • 手続きを自分で進められるか不安
  • 誰が相続人になるのか、相続財産がどのぐらいあるのかを正確に把握したい

上記のような方は、まずは無料相談ができる専門家に相談してみましょう。

まとめ

相続を円滑に進めるためには、多種多様の手続きに対応しなければなりません。

死亡届や火葬許可申請書の提出など行政の手続きだけでなく、不動産の登記や相続税の申告、各種名義変更などの手続きもあります。

必要書類を集めて期限内に手続きを終わらせるのは多大な時間と労力が必要になるため、専門家への依頼も検討しましょう。

且井行政書士事務所では、相続に関するご相談を無料で承っております。
「まずは話だけでも聞いてみたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

3問で確認!相続ミニクイズ

3問で確認!相続手続き○×クイズ
第1問 / 全3問
第1問
遺言書が見つかった場合でも、すぐに相続人全員で遺産分割協議を始めればよい。

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