建設業許可の申請は自分でできる?手続きの流れ・必要書類・費用を徹底解説!

  • 「建設業許可を取りたいけど、自分で申請できるのかわからない…」
  • 「申請に必要な書類や手続きの流れ、費用がわからない…」

上記のようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

建設業法では、建設工事の品質確保や発注者の保護のため、一定規模以上の工事を請け負うには、都道府県知事や国土交通大臣から「建設業許可」を受けることを義務付けています。

その建設業許可を取得するためには、許可要件や申請の流れ、提出先や申請書の書き方を把握しておかなければなりません。

そこでこの記事では、建設業許可を取得するための要件から手続きの流れ、必要書類まで徹底的に解説していきます。

許可取得までの期間やかかる費用まで解説していきますので、建設業許可を取得したい方は最後までご覧ください。

建設業許可を取得するための要件

手続きの流れを解説する前に、建設業許可を取得するための要件を把握する必要があります。

以下が、建設業許可を取得するための要件です。

許可要件 内容
① 経営業務の管理体制 建設業を適正に経営するための 一定の経験や管理体制が必要です。
② 適切な社会保険への加入 健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、 加入義務がある場合は適切に加入している必要があります。
③ 営業所技術者等 営業所ごとに、取得する建設業の業種に対応した 資格や実務経験などを持つ営業所技術者等を 配置する必要があります。
④ 誠実性 請負契約の締結や履行について、 不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと が必要です。
⑤ 財産的基礎・金銭的信用 一般建設業の場合は、 自己資本500万円以上または 500万円以上の資金調達能力があることなど、 一定の財産的要件を満たす必要があります。
⑥ 欠格要件に該当しない 建設業法で定められている 欠格要件に該当しないことが必要です。
※許可要件について
建設業許可を取得するためには、 原則として上記の要件をすべて満たす必要があります。 また、一般建設業と特定建設業では、一部の要件が異なります。

各要件を詳しく解説していきます。

①経営業務の管理を適正に行える体制があること

建設業許可を取得するためには、建設業の経営について一定の経験を持つ人がいるなど、適切に経営業務を管理できる体制が必要です。

代表的なのは、法人の常勤役員や個人事業主などに、建設業について5年以上の経営業務の管理責任者としての経験があるケースです。

このほか、経営業務の管理責任者に準ずる立場で一定期間の経験がある場合や、一定の経験を持つ常勤役員等と、その役員を補佐する経験者を配置することで要件を満たせる場合もあります。

申請時には、単に「経験がある」と申告するだけではなく、過去の役員経験や建設業の経営経験などを、登記事項証明書や確定申告書などの資料によって証明する必要があります。

そのため、「自分のこれまでの経験で要件を満たせるのか」「どの資料を用意すればよいのか」を申請前に確認しておくことが重要です。

②適切な社会保険に加入していること

建設業許可を受けるには、健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、加入義務がある事業者は適切に加入していることが必要です。

すべての事業者が一律に3つすべてへ加入するという意味ではなく、法人・個人の違いや従業員の状況などによって加入義務を判断します。

そのため、申請前に「自社がどの社会保険に加入する義務があるのか」を確認しておく必要があります。

③営業所技術者等を配置していること

建設業を営む営業所には、許可を受けようとする業種について、一定の資格や実務経験等を持つ営業所技術者等を配置する必要があります。

一般建設業許可の場合は、対象となる国家資格を持っている人や、原則として許可を受けようとする業種について一定期間の実務経験がある人などが要件を満たします。

営業所技術者等は、その営業所に常勤して専ら職務に従事することが原則であり、単に資格を持っている人の名前を登録すればよいわけではありません。

また、必要となる資格や実務経験は、取得する建設業許可の業種によって異なります。

判断に迷う際は、行政書士などの専門家への相談も検討しましょう。

④誠実性があること

建設業は、発注者と請負契約を締結して工事を完成させるという信用が重要となる事業です。

そのため、請負契約の締結や履行に関して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められます。

ここでいう不正・不誠実な行為には、請負契約に関する詐欺、脅迫、横領、契約内容に違反する行為などが挙げられます。

⑤財産的基礎・金銭的信用があること

建設工事では、材料の購入や人員の確保など、工事を始める前から一定の資金が必要になります。

そのため、建設業許可では、請負契約を履行できるだけの財産的基礎または金銭的信用があることも要件となっています。

一般建設業の場合は、原則として次のいずれかを満たす必要があります。

  • 自己資本の額が500万円以上である
  • 500万円以上の資金を調達する能力があると認められる
  • 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績がある

なお、特定建設業は一般建設業より厳しい財産要件が設けられています。

⑥欠格要件に該当しないこと

ここまでの要件を満たしていても、建設業法で定められた欠格要件に該当すると許可を受けることができません。

たとえば、以下のようなケースが問題となります。

  • 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない
  • 一定の理由で建設業許可を取り消され、所定の期間を経過していない
  • 一定の刑に処せられ、所定の期間を経過していない
  • 暴力団員等に該当する
  • 暴力団員等が事業活動を支配している
  • 許可申請書等の重要事項について虚偽の記載や重要な事実の記載漏れがある

また、法人の場合には法人そのものだけでなく、役員等が欠格要件に該当していないかも確認する必要があります。

建設業許可申請の流れ|全体像を把握する

建設業許可取得までの流れは以下のとおりです。

全体像を把握し、いつ何をやるべきなのか明確にするようにしましょう。

STEP 1
許可区分・業種を確認する
知事許可・大臣許可、一般建設業・特定建設業のどれに該当するかを確認し、取得する建設業の業種を決めます。
↓
STEP 2
建設業許可の要件を確認する
経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、財産的基礎、社会保険への加入など、建設業許可の要件を満たしているか確認します。
↓
STEP 3
必要書類を収集する
登記事項証明書、納税証明書、資格証明書など、申請に必要となる書類や許可要件を証明するための確認資料を準備します。
↓
STEP 4
申請書類を作成する
建設業許可申請書や役員等の一覧表、営業所一覧表、工事経歴書など、必要な申請書類を作成します。
↓
STEP 5
申請・手数料等の納付
必要書類をそろえて申請します。知事許可と大臣許可では、申請先や新規許可申請時に必要となる費用が異なります。
知事許可と大臣許可の違い
・知事許可:1つの都道府県内にのみ営業所を設ける場合
・大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合

↓
STEP 6
審査・建設業許可取得
申請後、行政庁による審査が行われます。審査の結果、許可要件を満たしていることが確認されると建設業許可を取得できます。
ポイント
知事許可と大臣許可で基本的な申請の流れは大きく変わりません。ただし、申請先や手数料等、必要となる確認資料などに違いがあるため、申請する許可区分に応じて確認する必要があります。

審査期間の目安

建設業許可の標準的な審査期間は行政庁によって異なりますが、知事許可ではおおむね30日から45日程度、大臣許可ではおおむね90日から120日程度が目安とされています。


ただし、これは書類が整って受理された後の目安であり、補正・追加資料・混雑状況などによって長期化するケースも少なくありません。

そのため、期日にはある程度余裕をもって手続きを進めるようにしましょう。

建設業許可申請の必要書類一覧

建設業許可の申請で必要な書類は下記のとおりです。

個人か法人かでも異なるため、注意するようにしましょう。

主な申請書類・確認資料 法人 個人 内容
建設業許可申請書 ○ ○ 申請者、営業所、許可を受けようとする建設業の種類などを記載します。
営業所一覧表 ○ ○ 主たる営業所や従たる営業所について記載します。
工事経歴書 ○ ○ 業種ごとに、請け負った建設工事の実績などを記載します。
直前3年の各事業年度における工事施工金額 ○ ○ 直前3年間の完成工事高を業種ごとに記載します。
使用人数 ○ ○ 営業所などで働く従業員数を記載します。
誓約書 ○ ○ 建設業法で定められた欠格要件などに該当しないことを誓約します。
経営業務の管理体制を確認する資料 ○ ○ 過去の役員経験や個人事業主としての経験など、経営業務の管理体制の要件を確認するための資料です。
営業所技術者等を確認する資料 ○ ○ 資格証明書や実務経験証明書など、営業所技術者等の要件を確認するための資料です。
社会保険の加入状況を確認する資料 ○ ○ 健康保険・厚生年金保険・雇用保険について、加入義務の有無や加入状況を確認するための資料です。
財務諸表 ○
法人用
○
個人用
財産状況や経営状況を示す書類です。法人と個人では使用する様式が異なります。
納税証明書 ○ ○ 知事許可・大臣許可や法人・個人の違いに応じた納税証明書を提出します。
役員等の一覧表 ○ ― 法人の役員等について記載します。
株主(出資者)調書 ○ ― 一定の株主や出資者について記載します。
定款 ○ ― 法人の目的や組織などを確認するために提出します。
法人の登記情報を確認する資料 ○ ― 法人の商号、所在地、役員などの登記情報を確認します。
支配人に関する書類 ― △ 個人事業主が支配人を置いている場合に必要となります。
※必要書類について
上記は新規の建設業許可申請で必要となる主な書類・確認資料です。 実際に必要となる書類は、法人・個人の違いや申請内容、 営業所の状況、資格・実務経験、経営経験などによって異なります。

○:原則必要 △:該当する場合に必要 ―:原則不要

建設業許可申請にかかる費用

建設業許可申請の際、申請区分ごとに法定手数料がかかります。

また、法定手数料だけではなく、書類取得費用も別途でかかります。

申請区分 知事許可 大臣許可 支払時期
新規申請 9万円
許可手数料
15万円
登録免許税
申請時
更新申請 5万円 5万円 5年ごと
業種追加 5万円 5万円 申請時
※費用について
上記は一般建設業または特定建設業の いずれか一方を申請する場合の法定費用です。 一般建設業と特定建設業を同時に申請する場合や、 複数の申請区分を同時に申請する場合は金額が加算されます。

また、申請に必要となる各種証明書などの 書類取得費用が別途かかる場合があります。

行政書士へ依頼する場合の報酬相場

自分で申請をする場合にはかかりませんが、専門家である行政書士に依頼する場合には別途費用がかかります。

報酬相場としては、一般的な知事許可の新規申請で10万円~20万円、大臣許可で15万円~30万円程度です。

ただし、これはあくまで参考であり、地域、業種数、営業所数、法人・個人の別、経営経験・実務経験の証明難易度、追加書類の有無によって大きく変動します。

まずは個別見積もりをもらい、実際の金額がいくらになるのか確認するようにしましょう。

建設業許可の更新・変更届

建設業許可は一度取得すれば永久に有効というものではなく、5年ごとの更新と、許可内容に変更が生じた際の届出が必要です。


また、毎事業年度終了後には決算変更届を提出し、経営状況や工事実績を継続的に報告します。


必要な手続きを怠ると更新ができない、行政指導を受けるといったリスクもあるため、期限を把握したうえで届け出ることが大切です。

手続き 主な対象 主な期限の目安
決算変更届 毎事業年度の決算内容・工事実績などを報告 事業年度終了後4か月以内
変更届 商号、所在地、役員、営業所、経営業務の管理体制、 営業所技術者等などに変更があった場合 変更事項ごとに定められた期限内
業種追加申請 現在の許可に加えて、新たな建設業の業種を追加したい場合 新しい業種で許可が必要な工事を請け負う前
更新申請 5年間の有効期間満了後も建設業許可を継続する場合 許可満了日の30日前まで
※許可取得後も手続きが必要です
建設業許可は、取得したら手続きが終わるわけではありません。 毎年の決算変更届や、許可内容に変更が生じた場合の変更届、 5年ごとの更新申請などを適切に行う必要があります。

まとめ

建設業許可の手続きは、行政書士に依頼せず自分で行うことも可能です。

ただし、申請にあたっては、建設業許可の要件を満たしているかの確認だけでなく、申請書の作成や各種証明書類の収集など多くの準備が必要になります。

特に、経営業務の管理責任者や営業所技術者等の要件については、これまでの経験を証明するために複数の資料が必要になるケースもあり、専門的な判断が必要になるケースが多いと言えます。

  • 自分が建設業許可を取得できるのかわからない
  • 必要書類をそろえる時間がない
  • できるだけスムーズに許可を取得したい

上記のような方は、行政書士への依頼を検討するのも一つの方法です。

且井行政書士事務所では建設業許可に関してのご相談を無料で承っております。

「自分で手続きを進めるのが不安」といった方は、是非一度ご相談ください。

3問で確認!建設業許可ミニクイズ

3問で確認!建設業許可○×クイズ
第1問 / 全3問
第1問
建設業許可の申請は、必ず行政書士などの専門家に依頼しなければならず、自社で申請することはできない。

この記事を書いた人 Wrote this article

且井行政書士事務所

且井行政書士事務所

TOP