- 「農地転用をしたいけど、許可が下りるまでどのくらいかかるのかわからない…」
- 「土地を使いたい時期が決まっているけど、いつまでに申請すればいいのかわからない…」
上記のようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
農地転用は、申請すればすぐに許可されるわけではありません。
農地の場所や手続きの種類によって必要な期間が異なるため、土地を使いたい時期から逆算して準備することが大切です。
この記事では、深谷市で農地転用をする場合にかかる期間についてわかりやすく解説します。
農地転用にかかる期間の目安|手続き別で解説
農地転用にかかる期間は、対象の土地が市街化区域にあるか、市街化調整区域など許可が必要な区域にあるかによって大きく異なります。
また、自治体によっても違うのが特徴です。
以下、詳しく解説していきます。
市街化区域の届出と市街化調整区域の許可申請で期間は大きく違う
市街化区域内の農地は、原則として農地法4条または5条の「届出」の対象であり、比較的短期間で進めやすい傾向があります。
対して、市街化調整区域や非線引き都市計画区域などでは、原則として農地法の「許可」が必要です。
市街化調整区域では、農地法だけでなく都市計画法上の開発許可や建築許可の可否も問題になるため、農地転用許可だけ取得しても希望する建物を建てられない場合があります。
| 比較項目 | 市街化区域 | 市街化調整区域 |
|---|---|---|
| 基本的な手続き | 届出 | 許可申請 |
| 期間の目安 | 1週間~10日程度 | 1か月程度~ |
| 手続きの特徴 | 農業委員会へ届出を行います。 許可申請と比べると、比較的短期間で手続きが進みます。 | 転用目的や農地区分、事業計画などについて審査が行われるため、 届出より時間がかかります。 |
| 長期化する主なケース | 書類の不足・不備や、農地転用以外の手続きが必要な場合など | 開発許可、分筆、他法令の手続き、書類の補正などが必要な場合 |
上記の期間はあくまで目安です。 実際にかかる期間は、農地の状況や申請内容、 必要書類の不備・補正、他法令の手続きの有無などによって異なります。
農地法4条・5条の違いで期間は変わるのか
農地転用では、土地所有者が自ら転用するのか、売買や賃貸借などにより第三者へ権利を移すのかによって、農地法4条または5条の手続きに分かれます。
| 比較項目 | 農地法4条 | 農地法5条 |
|---|---|---|
| どんな場合? | 自分が所有する農地を、自分で農地以外の用途に転用する場合 | 売買や賃貸借などによる権利の移転・設定を伴って、 農地以外の用途に転用する場合 |
| 権利の移転・設定 | なし | あり |
| 具体例 | 自分が所有する畑を、自分の住宅用地や駐車場、 資材置場などにする | 農地を購入・賃借して、その土地を住宅用地や駐車場、 資材置場などにする |
| 申請者 | 転用する農地の所有者 |
譲渡人と譲受人など (原則として双方で申請) |
| 市街化区域 | 届出 | 届出 |
| 市街化調整区域 | 許可申請 | 許可申請 |
| 簡単な覚え方 |
所有者はそのまま 用途だけ変わる |
権利関係と 用途が変わる |
4条と5条では申請書の内容や必要書類が異なりますが、標準的な審査期間はいずれも大きく変わりません。
ただし、5条は譲渡人と譲受人の権利関係、契約内容、資金計画など確認項目が増えるため、準備段階では4条より時間がかかることがあります。
自治体によっても期間は異なる
農地転用のスケジュールは全国一律ではなく、各自治体ごとで異なります。
例えば深谷市では、農振除外をする際の受付締切りが決まっており、2月末・5月末・8月末・11月末の年4回となっております。
一度逃すと次は3か月後となるため、自治体ごとの特性を把握することが必要です。
農振農用地(青地)を農用地区域から外すための手続きです。 農地転用の前に必要となる場合があります。
「農地転用は数年以上かかる」といわれる理由
順調にいけば数カ月程度で終わるはずなのに、転用までに1年以上かかるケースも少なくありません。
それは、通常の農地法許可そのものではなく、農振除外、開発許可、土地造成、インフラ整備、建築工事まで含めたプロジェクト全体が長期化するためです。
特に、農用地区域内の農地を転用したい場合は、原則として先に農振除外の手続きが必要であり、かなりの時間を要することになります。
農地転用手続きの流れとスケジュール
農地転用を円滑に進めるには、申請書類を作り始める前の事前調査が最も重要です。
以下では、事前調査から許可取得までの流れを解説していきます。
農振農用地(青地)の場合は、原則として農地転用許可申請の前に 「農振除外」の手続きが必要です。
許可が必要な農地では、原則として許可を受ける前に 造成工事や転用目的での利用を始めないよう注意しましょう。
上記の手続きは一般的な許可までの流れです。
各自治体で流れは異なるため、お住まいの自治体に確認は必要となります。
深谷市の申請の流れについては以下の記事で解説しています。
立地基準別|農地転用に必要な期間の目安
農地といっても数種類あり、どの種類の農地に区分されるかで許可までの期間も異なります。
農用地区域内農地・甲種農地・第1種農地は原則不許可の扱いが基本で、計画内容によっては時間をかけても転用が実現しない場合があります。
一概には言えませんが、原則不許可の農地に関しては半年以上、それ以外の農地(第2種・第3種農地)に関しては1~2カ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
まずは転用する農地の区分を調べ、そもそも転用可能かどうかを最初に確認することが、無駄な費用と時間を避ける近道といえます。
| 農地区分 | 主な特徴 | 転用の考え方 |
|---|---|---|
| 農用地区域内農地 | 市町村が定める農業振興地域整備計画において、 農用地区域に指定されている農地です。 いわゆる「青地」と呼ばれる農地です。 |
原則不許可
※例外あり |
| 甲種農地 | 市街化調整区域内にある特に良好な営農条件を備えた農地です。 農業公共投資後一定期間内の農地などが該当します。 |
原則不許可
※例外あり |
| 第1種農地 | おおむね10ha以上のまとまりのある農地や、 土地改良事業の対象となった農地、 生産力の高い農地など、良好な営農条件を備えた農地です。 |
原則不許可
※一定の例外あり |
| 第2種農地 | 市街地として発展する可能性がある区域にある農地や、 農業公共投資の対象となっていない 小規模な農地などが該当します。 |
条件により許可
他の土地で目的を達成できない場合など |
| 第3種農地 | 鉄道駅や道路、上下水道などの 都市的な施設が整備された市街地や、 市街地化が進んでいる区域にある農地です。 | 原則許可 |
農地転用では、農地の場所や営農条件などによって 「農用地区域内農地」「甲種農地」「第1種農地」 「第2種農地」「第3種農地」に区分されます。 一般的に、農業上重要な農地ほど転用の制限が厳しくなります。
農地転用が許可されない主な理由
農地転用が許可されない理由は、単純な書類不足だけではありません。
主に不許可となるケースには以下のようなものが挙げられます。
- 農地区分上、原則として転用が認められない農地である
- 転用の目的や事業計画に実現性がない
- 転用に必要な資金を確保できる見込みがない
- 転用によって周辺農地の営農条件に悪影響を及ぼすおそれがある
- 他法令の許可等が得られる見込みがなく、転用を実現できない
「色々手続きを進めていたのに、結局不許可になってしまった、、、」というケースも多いため、不安を感じる方は行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
農地転用を期間通り進めるためのチェックリスト
農地転用の手続きを進めるにあたり、確認しなければいけない項目は複数あります。
ご自身で手続きを進めたいという方は、下記チェックリストを参考にしてみてください。
農地転用は、農地の場所や転用目的によって必要な手続きが異なります。 特に農振除外や開発許可、地域計画から外す手続きなどが必要になると、 想定より長い期間がかかることがあります。 転用したい時期が決まっている場合は、早めに農業委員会などへ確認しておくことが大切です。
まとめ
農地転用を進めるうえで最も重要なのは、「土地の区分」と「事前の準備」です。
ここを疎かにすると、膨大な時間と費用を失うことにもなりかねません。
許可取得までの期間を把握することはもちろん大事ですが、大前提として転用ができる場所なのかはしっかりと確認するようにしましょう。
且井行政書士事務所では農地転用に関するご相談を無料で承っております。
「そもそも転用できる場所かわからない」という方もお気軽にご相談ください。